睡眠時ブラキシズムは、夜間睡眠中に歯ぎしりをする睡眠関連疾患です。大阪大学大学院歯学研究科の大学院生白石優季さん(研究当時、現歯学部附属病院医員)、加藤隆史教授らと、同連合小児発達学研究科・谷池雅子教授らの研究グループは、睡眠時ブラキシズムの子どもでは、歯ぎしりが睡眠周期に合わせて繰り返し増減することを世界で初めて明らかにしました。

 子どもの睡眠時ブラキシズムは睡眠や発達の障害などが原因であると考えられ、様々なタイプが存在するとされていますが、歯ぎしりが睡眠中にどのようにして発生するのか不明でした。

 今回、研究グループは、明らかな睡眠の病気がなく、発達にも問題のない6歳から15歳の子どもに睡眠検査を実施し、一晩の睡眠の深さや自律神経系活動の変化を数値化したところ、歯ぎしりをする子どもでは、レム睡眠に向けてノンレム睡眠が浅くなり交感神経系活動が高まる間に歯ぎしりが集中して発生し、睡眠周期ごとの歯ぎしりの増減があることがわかりました。

 また、歯ぎしりに伴って寝返りや一時的な脳波の変化が起こることも明らかになりました。これにより、子どもの歯ぎしりの発生には、睡眠周期にともなう脳機能の変化が伴っていることが明らかとなり、診断方法や治療法に向けた新たな研究への発展が期待できます。

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