順天堂大学大学院医学研究科脳回路形態学(神経機能構造学)の日置寛之 教授、山内健太 助教ら、および大阪大学大学院歯学研究科口腔解剖学第二教室の古田貴寛 講師らの共同研究グループは、全脳スケールからシナプススケールまで神経回路の構造をズームインしながら観察する手法の開発に成功しました。神経回路を構成する神経線維には、ヒトでは最長で1メートルを超す軸索があり、マウスのような小さな動物でもその長さは数センチメートルに及ぶものがあります。このような大規模な回路構造の解析には、光学顕微鏡による観察が適しています。一方、回路結合のエッセンスであるシナプスはナノメートルスケールの構造であり、電子顕微鏡[1]を用いないと観察することができません。本研究で開発した組織構造観察技術は、組織透明化技術[2]と電子顕微鏡観察技術との融合により、全脳構造からシナプス構造までのシームレスな観察を実現し、脳の機能基盤である神経回路構造の網羅的な解析に貢献します。
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